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さとこの母、夢はマイホーム ゲット。

さとこの里の母がコツコツ働いてようやく建てた
血と汗と涙の結晶のマイホームは

さとこの父が他界した後になってから、

土地の名義の問題で
母個人の所有権を得るのが困難であることが判明しました。


すっかりあちこちガタがきているけど

どんなに住み心地よく手直ししたとしても
母が死んだら、更地にして手放さなくてはならないのです。


ウォシュレットのトイレが欲しいと、
日々切望しながらも、

浄化槽工事の費用を掛けるのは馬鹿らしいという理由で躊躇し、
今もボットン便所のまま。


京都にある、さとこの兄一家の家は、
あこがれのウォシュレットなんだけど

母用の部屋も作ってもらったのに、
母、遠くには行きたくないんだって。



だから、
さとこの兄が不動産会社カチタスさんのリノベーション住宅を探して来たり、


さとこも、ぱにーニィに協力してもらって

アパート、売地、新築物件に売り家などの好条件ぽい物件を見つけるたびに勧めるんだけど


母の提示する条件は
『大きな石がある広い日本庭園の、立派な和風建築の平屋』


そんなもんがそう簡単に手に入るかいっ ヽ(`Д´)ノ


お城に住むお姫様を夢見る少女のような、さとこの母なのでした。




里の母の主張。
  ↓

「あんたたちが勧めてくれた、あのJR駅横の土地ね、いいと思ったけど、やっぱりダメ。
だって境界線の側溝が広くて、大きな家が建てられないもの。


部屋の壁は、四方がガラス張りじゃないと息がつまる。

あんたのアパートみたいなのは無理よ。
天井が低くて窓も小さくて、あんなところでよく暮らせるね。


屋根は瓦じゃなきゃあ。


ストンとした四角い形の家は嫌。だって、窓から落ちそうで怖いもん。


アパートは…新築だったら、ちょっと考えてもいいかな。
あら、でもピアノが置けないからだめね。

それに、狭すぎて
今ある荷物が入らないわ」


温泉街にバブル時代に建ったマンションが不動産相場崩壊で80万とか100万で売りに出てるから見てみたらというと


「んまあ、そんなに安くて買えるの?
荷物を置くのにはいいわよね。

でもなにか事件があったからそんなに安いんじゃないのォ。

そんな怖いとこ、お母さん、いやだわ~」


…母よ。
急がんと、生きとる間にウォシュレットのトイレ、使えんでな。




豪雨が明けての7月7日。


明け方までは叩きつけるような激しい雨だったのが、昼前には次第に和らぎ、峠を越した感が見えました。


アパート群一帯にモデルハウス売却のチラシが配られたので、
この日、見学会に母を誘っていたさとこ。


前夜は避難警報出てたし、
モデルハウスどころじゃないやと思って、中止の電話かけるけど

あれっ?
母、携帯が通じない。


とりあえず安否確認しないと。


雨の中、ぱにーニィの運転で里へ向った。


これから雨がもっとひどくなるようなら、母を独りにしない方がいいしね。


さとこ生息地の一級河川は増水していて、
初めて見る川幅と水量に度肝を抜かれながら橋を渡って市内へ入る。


後日、地元議員さんのblogで知りましたが

さとこの町の対岸には国交省のポンプ場があり、毎秒2tの排水ポンプが2基整備されているらしいです。


でも、集中豪雨には対応できなくて

対岸側にある支川の側の道路が冠水し、
住宅地も危険だったのですが


国交省のポンプ車と県のポンプ車が出動して増水した川の排水作業を一晩中行ったため、
水位が低下したんだって。


なんと、そんな大騒ぎがよその国のことのように
市内はいつも通りでございました。


県東部では
家屋浸水や断水、停電、公共交通全面運休し、道路の寸断や土砂崩落のニュースが流れていたけど、


さとこの里がある西部地区方面へ向かうほど、

平地だし海の近くだし砂地だしで
緊迫感皆無。


里に到着すると
母、お出掛けモードで、入念にお化粧塗り塗りの支度中だったから

そんならまあ、ちょこっとだけ行ってみますか


今日の母、車に乗り込んだ時点からテンション高くて
現地に到着するまで喋り続けなので、

さとこの気力は、すでに消耗気味でございますよ。




売却対象のモデルハウスは2軒。


1軒目は2320万円の二階建てです。


「ごめんくださーい」と玄関に入ると

現場担当と思われる作業着姿の人が
「あっどうぞご自由にご覧になってください」と恥ずかしそうに招き入れて下さいました。


この不動産やさん、
モデルハウスを事務所として使い、
2~3年ごとに次のモデルハウスを作って事務所をそっちに移動して、今までのモデルハウスを売却するというパターンらしいですね。


母、第一声、「この壁を取って広い一間にすることはできますの?」


えっ。
目の保養に行くだけだわ~とか言ってたくせに、
母、2320万円を、まさかの買う気満々か?(@_@;)


慌てた現場担当さんが、説明会担当者さんを呼びに行かれ。


早速、さとこの母に丁寧に説明を始める担当者さん。


母、雨に濡れたテラスを見て、
洗濯物が干せないけど、ここに屋根は作れます?とか

この土地は低いけど、洪水の時はどうなるの?とか

屋根は瓦じゃないのね、わたしは瓦が好きなんだけど…とか


かれこれ1時間も相談した挙句、

これぐらいにして次を見せていただきましょうと

ようやく、もう一軒(同じ不動産やさんのです)の方のモデルハウスに向いました。



こちら、珍しい平屋作りのモデルハウス、2420万円なんですけど

これがまた。
外観


話題のキッチン、ハイセンスな内装、贅沢な沢山の照明など、
最新のシステムが導入された芸術品のようで


母、うっとり。

玄関 キッチン

トイレ リビング


母 「ステキねー。どこもかしこも白すぎて、掃除がたいへんそうだけど。

今の荷物が入らないから、まずは収納小屋を作らないと。

箪笥を置きたいけど、作り付けのこの棚は外せますの?

さっきの2階建てより、だんぜんこっちよねえ。
ここならピアノも置けるし」


担当者さんに「えっピアノ?音楽されるんですか。
だったら、いい環境は感性を磨きますよね」とかくすぐられちゃって、

母、ますますテンション上がりっぱなし↗


「ええ、鍵盤が四つありますの(そうなの?)。
わたし、ピアノが無いところでは暮らせないわあ。

さとこ、ぱにさん、
あなたがた、ここならサロンコンサートもできるじゃないの」

なんて宣う。


うええん。
恥ずかしいから、
お願いだから、やめてくれー



こんなふうに、逃げ腰のさとこは居場所がなかったので、


もと不動産会社勤務だったぱにーニィが

失礼のない的確な質問を、必要最小限でまとめてくれて良かったデス。


説明担当者さん、とっても誠実そうな好青年さんで

なんでも丁寧に教えてくださいましたよ。




この立派なおうち、
午前中のうちに、もう2件の契約が入っているそうでした。


その2件がキャンセルになった場合には、
3番目の申込者に購入の権利が回ってきます。


それを知った母、

「S県のI市にね、空き地を持ってるんですよ。
遠いからあそこには住むのは無理と思ってたけど、こんなおうちなら、ぜひ建てて住みたいわね」とかって。


母の実家跡の空き地、今は荒地ですが

土地の前と後ろが道路に面しているし、町の中心だし

確かに土地の評価はよさそうなのです。


さとこが、「そんならあそこにモデルハウス作っていただいて、それの売却を待ったら?」と言ったら、

担当者さんも「ほお、それは相談してみてもいいかもしれませんね」なんて言いつつ、

続けて、
「実は今、次のモデルハウスを建築中で、9月に完成予定なんです」って。


場所を聞いたら、
なんと、母んちの町だそうでして。


そちらが完成したら見せていただきに伺うことにし

ようやくお暇しました。




風雨の中、担当者さんは90度お辞儀でお見送り。


遠ざかり小さくなっても角度を崩さないその姿を
胸が熱くなる想いで見守りつつ


さとこ 「で、母、おうちの相談するの?」


母、 「まさか!そんなお金ないわよ。」

だって、今の家を解体するのにも大金がかかるでしょ。お金はないもん。」


あんなに具体的な質問攻めで時間とってもらったけど
ただの社会見学でしたか。


担当者さん、一生懸命接客してくださったのに
申し訳ありませんでした。




そのあと、3人で遅いおひるごはんを済ませ

休むことなくお喋りする母を
やっと里に送り届けての帰り道のこと。


さとこは勿論のことですが
さすがのぱにーニィも疲労困憊したようで


途中の展望駐車場に車を停めて

気づくと2人とも爆睡してました。


ぱにーニィ、付き合わせて、
ほんと、ごめんね。




一級河川の水は行きと比べて1mぐらいは引いたようでしたよ。


よるごはんは
母がくれたおかずで。
具だくさん味噌汁、一分つき米、つわぶき、ロールレタス

「テレビでやってて美味しそうだったから作ってみたの」、という
ひき肉とピーナッツとお米をレタスに包んで煮込んだものと、

ツワブキの煮物。

それに具だくさん味噌汁と一分つき米。


雨が小降りになってホッとしました。

色彩のない風景
(とおるちゃんとさとこの巣の裏にできた工場の生産棟。モノクロみたいだけどカラー写真です。)


母のマイホーム問題には
さとこはもう関与しないことにします。


まあ、競馬のWIN5で4億円ゲットする予定だから

おうちのひとつぐらい、買ってあげてもいいわよ。


お世話になったモデルハウスの担当者さん、

そのときには指名させていただきますから


ウォシュレットと大きな石がある広い日本庭園の立派な和風建築の豪邸を


よろしくお願いいたします。

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[2018/07/16 19:09] | ・主な登場人物紹介 | page top
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