今日は、里の母の誕生日。
数えで八十だから傘寿です。 音楽院の帰りに巣に寄ってもらい、晩御飯とケーキでお祝い。 「七十代最後のお誕生日だから」とお花をもらって来たから記念撮影。 ぱにーニィからも、ピンクのてぃさーじと、好みの香水を入れられる石敢當をもらい、 はてるま母からは、今日採ったばかりの見事な香茸をもらい(たまたまだけど)、それなりにゴージャスになりました。 ![]() ![]() 傘寿だから、ショートケーキにちっちゃい蛇の目傘でも差すかなと思ったけど、みつからない。 ぱにーニィがパラソルチョコを見つけてくれた。 ナイス! パラソルチョコ、まだあるんだね。
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お彼岸中日で月命日。
教会の霊祭だから、はてるまには帰りませーん。 義母が張り切って本膳とお萩を作ってくれていることでしょ。 教会のお供えは、この頃はお酒に決めている。 今日は、ペットボトルの日本酒を発見したからそれを購入。 こりゃいいや。 軽いから、母でも三方からの上げ下げが楽チンだ。 一時は重体っぽかった老犬ちゃんたん、さとこ沖縄中にICUに4日ほどお世話になり、2リットル溜まっていた腹水も抜いてもらった。 あ、今日は歩けてるぞ。 ![]() 呼吸も荒くない。 においはかすかに分かるのか、さとこをさがして、ふらふら近づいてきた。 びっくりさせないように、床を叩いて振動で知らせてからナデナデ。 ![]() カリカリごはんを入れたお鍋も鼻先まで持っていかないと分かんないの。 それでも、買いたてのカリカリ袋を見つけて、端っこを噛み破ろうと頑張っていたらしい。 母に「まー、あんた、まだそんなことが出来るだね~」と誉められていた(笑) 毎日の通院も、三日に一度でよくなったみたい。 とりあえず峠は越えたねー。 さとこも、沖縄から帰ってからはずっと調子良かったけど、お彼岸から何となくまた不安。 以前はなかった耳鳴りも頻繁におきるようになった。 うちなーぐすい(沖縄の空気はさとこのおくすり)、切れたかな。 それとも、ヒコーキの気圧の変化が老体に負担だったのかな。 いや、ただの更年期だす(寂笑)。 町から骨粗しょう症検診の案内が来たから申し込む。 一回やってみたかったのが、チャンス到来。 ごじゅっさい、いいことも有るもんだ(笑) 霊祭が終わり、母がお出掛け準備をする間、教会のお掃除。 あちこちの蜘蛛の巣も、落ちている湿布の透明フィルムや髪の毛も、信者さんには見えても母には見えないからね。 14時を回って、ようやく母実家のお墓へ向かう。 既にブレーキを踏んで止まりかけているのに、助手席から「信号、赤ですよ」 減速してやや中央に寄っているのに「あっ!人がいます、気をつけて!」とこまごまと言うわりには、交差点の中で「ここを左だったのに」とか、チョー焦るからやめてほしいわ。 しかも、すでに通り過ぎた道について、 「さっき右に曲がっていれば○○に出る新しい道がついて、そこにつながるらしいわ。 だいぶ近いんだろうや。 で、左だと△△を抜けるから、信号が少なくてすむに」 とか延々と説明してくれる間に、次に曲がるべき道のことは話題にでるひまがないから、どんどん通り過ぎる。 わけが分かんない。 わたしが走り慣れた道か、ナビの案内通りに走らせてほしいわっ(笑)。 カフェイン製剤をテーブルに置き忘れて出てしまい、お墓にたどり着いたときはヤク切れでヘロヘロ。 でも、お墓をお掃除していると、何だかパワーが沸いてくる気がするんだよね。 満足いくまでお掃除し、その勢いに乗って帰る。 勢いで、次のハウスクリーニング現場の下見と荷物搬入にも行けた。 巣にたどり着いたのは22時。 とおるちゃん、命日には、家族でごちそう食べるから勘弁ね。 あの事故の日、お昼ご飯は何を食べたのかな。 はてるまでは何も食べずに、さとこのミラ用にコンパウンドだけ持って、折り返し出発したとおるちゃん。 夕方、お腹空かせたまま死んじゃったのかな。 食べたいものがあれば、すぐに夢で知らせてね。
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お彼岸になりました。
恒例の、はてるま母姉妹とのりやんさんとのお墓参り。 いつもなら、一緒のお店でお茶してお買い物だけど、姉親子は、先日できたばかりのマンモス業務スーパーへ。 はてるま母は、さとこを気遣い、近場のお店でいいと言ってくれたので、お墓参り後は別行動です。 のりやんさん、さとことおんなじウツなのにすごいなー。 車好きで買い物好き。 お仕事も毎日続いているみたい。 はてるま母、「今度のじーさんの受診日に行けばいい」と言うけど、すごく広くて衣料品なんかもあるはずだから、義父は発作が起きるんじゃないかなあ。 敬老の日の孫ちゃん達とのドライブも、ドタキャンして一人でお留守番したみたいだし。 義母姉妹は、キノコ狩りのシーズン。 山には必ず紙パックの飲み物を持って入るので、業務スーパーでまとめ買いです。 いつも行きつけのショッパーズオカダでもお彼岸の買い出し。 あれこれ物色し、ケーキ屋さんでお茶をして、とおるちゃんと義父と端井にもケーキを買って帰る。 帰ってから、お昼は近くの食堂へ義父母と3人で出掛けた。 端井夫妻とてぃーだちゃんを誘うつもりだったが、不在。 端井のお母さんのお見舞いかな? 国立病院から一旦他の総合病院に移り、現在リハビリ中。 様子を見て、また国立病院に再入院して手術らしい。 義母の説明では、何がなんだかさっぱりわからないけど、きっと、ウワサ話だけが暴走しないように、義妹が最小限のことしか話していないんだろう。 今日はドライブ日和。 国道沿いの食堂、数分の往復の間にも、ツーリングのバイクが続々とすれ違う。 みんな、家族があるんだから、気を付けて走ってね。 果てしなく長く辛い日々を生きるのは、あなたではなくて、あなたの家族なんだからね。 来年のとおるちゃんの七回忌、家族と端井だけでするつもりで、だったら命日に沖縄に家族旅行もアリかなと思ってたけど、埼玉と東京の親戚が戻ると言ってきた。 じゃ、ささやかな宴会でもいたしましょーねー。 埼玉の従兄弟は、山伏の修行がマイブームで、来年は、法螺貝とお祓いのご披露があるらしい。 由布人センセーに「死んだから妖怪の仲間じゃん」と言われたとおるちゃん、吹き飛んじゃうと困るなあ(笑) でも、統合失調症の症状がかなりひどくて入院してた従兄弟の奥さんは、この頃とても調子よくて、自宅療養で電話で冗談も言えるくらい回復されたから、やっぱ、効果抜群なのかも(笑)。 巣でもとおるちゃんにお供え。 玄米生ハムねばねば丼。 茗荷と、収穫したてのハンダマのねばねば味噌汁。 するるの一夜干し。 ![]() 夫の健康管理は妻の務め。 とおるちゃん、さとこがグソーで合流するまで、転生せずに長生きしててね。 そりゃー無理か(笑)
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免許の更新に行ってまいりました。
朝、起きたら顔がパンパンで目が開かない。 夕べも夢で忙しくて小刻みに寝たり起きたりだったからなー。 目が開くように髪を吊り上げてポニーテールにする。 おー。見える見える(笑) 手続き、支払いと、じゅんぐりに案内される。 わかりやすくて親切だね。 支払いのとき、「任意ですが」って3回言われたから、五年分の交通安全協会の会費も納める。 ぱにーニィ、「大事なことだから3回言いました」が口癖だし(笑) 同町の高齢者や子供達に反射材を配ったり、街頭での交通安全指導の費用になるそうな。 町からはいろんな恩恵を受けているから、ご恩返ししないとね。 はてるま父も、毎日交通安全ボランティアしてるしね。 今回の免許証から、どうやら扱いが難しくなった。 「暗証番号、二個書いてもらいましたよね。 一番と二番の順番を間違えるとエラーになりますから絶対間違えんでよ。 読み取り機の上でずれてもエラーになるから、置いたら直ぐにとるのがいいね。 テンキーの押し間違いもエラー。 免許証有効期間中、三回エラーしたら機械に取り込まれ、カードの情報が自動的にクリアされます。 気を付けて下さいね。」 …さとこ、無理。 緊張したら絶対手が震えて押し間違えるし、読み取り窓から動かさずに取るなんて技、できないよ。 これからは、免許証を本人確認に使うのはやめとこ。 講習はといえば、死亡事故の話が満載。 もらった安全運転bookには、交通事故被害者遺族の手記。 「あの日から、一日が終わる度、あなたに会える日がまた近づいたと思う」 涙で先が読めない。 ぱたりと閉じる。 こんなん、もらっても絶対読めません。 「新免許証発行の手続き完了まで、テレビの前の椅子でお待ち下さい。」 画面には、グシャグシャになった車が次々と写し出された。 外は、近くの総合病院に向かう救急車が何台も通る。 みるみる消耗。 ここに来るのはこりごりだ。 とりあえず、31年まで更新にこなくていいように、大人しくしておこっと。
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那覇までも、那覇ー宮古間も空撮しまくりで気を紛らわしていたぱにーニィ。 ![]() 那覇空港では、観光案内所でパンフレットをパラパラ。 デスクの美らかーぎーに、「あの…それロシア語ですけどよろしいですか?」と聞かれた。 ぱにーニィ、「ハイ、ロシア人デスカラ」と思いっきり日本語で答える、そして、どっから見ても南方系な顔(笑) 自衛隊機と民間機がご相席。 戦闘機が次々離陸。 民間機もびゅんびゅん飛び交う。 ![]() ![]() ![]() ぱにーニィは、当然ながら生きたまま宮古島についた。 ぴよ子さんが、「まだ時間が早いから、とおるさんに会いに行きませんか?」 いつもなら、一人日帰りだから、身軽にリゾートホテルのシャトルバスに宿泊客ふーじーで乗り込み、庭からすぐ売店に向かうんだけど、三人だから正面から運転手さんにアタック。 「宿泊の予約はしてないんですけど、売店でお土産を買いたいのですが、乗せていただくのはおいくらですか?」 「原則、宿泊のお客様だけど、今は迎えにきてるから、乗っていいですよ。帰りはタクシーになりますけど、いいの?」 三人「勿論ですッ」 運転手さん、大感謝。 お土産、ばんない買って帰りますね。 正面玄関から正々堂々と入り(笑)、あとはいつも通り。 コンビニで、うさぎむんを購入。 ![]() さっきまではこちらも土砂降りだったらしいから、わりと涼しい。 海岸線をてくてく目的の場所を目指す。 ![]() ![]() 目印のあずまやは同じだけど、海岸線が変わった。 いつか、このあずまやが取り壊されたら、会いに来るのはやめにしようと決めている。 ムヌチねーねーに、ご主人はどこにいても一緒だから、物質や目で見える形に執着する必要はないと言われたもの。 だから、今は、本当は、必ず一緒のお墓に入らなくても、とおるちゃんと繋がっていられるかもしれないと思ってる。 でも、過去は消えないから、人間の繋がりも初めからなかったことにはできない。 さとこは、教会の娘ではてるまの嫁。 どこにいても、一瞬でも、それが消えることはないもんね。 なにもかもほっぽりだして、この水底で、とおるちゃんとゆらゆら揺れていられたら、なんてすてきなことでしょう。 ![]() …ただ、さとこには、失いたくない人たちが、ばんないいるからね。 ぱにーニィ。 ひとがしんみりしているときに何を写しておる。 ![]() ![]() ![]() 19時。 夕日が水平線に沈みました。 「おめーのせいでワンがどんだけ怖い思いをしたと思っとるだいや!」と半泣きだったぱにーニィも、暫くはうっとり宮古の風景に浸る。 今日から二泊して観光です。 ぱにーニィ、ぴよ子さん、とおるちゃん&菩薩さまと、楽しいことだけを見て過ごしましょうか 。
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9月11日、沖縄から帰った翌日。
この日はUちゃんのお父さんの告別式。 那覇滞在中、半蔵さんから連絡があった。 だからこの間、夢でUちゃんが泣いてたのかな。 心臓の動脈瘤破裂であっという間だったらしい。 苦しい時間はごく短かったはず。 大切な人が苦しむ姿は見たくないもの。最後まで家族思いでしたね、お父さん。 マスター、半蔵さん、風猫さん、詩朗さん、ぱにーニィと列席させていただいた。 Uちゃん、目があった途端「来てくれてありがとうね」とポロポロ泣き出した。 正に夢の通り。 でも、残念ながらこれは現実。 夢なら覚めるのに。 式典開始まで、ユーモアと愛情溢れる写真が次々に映し出された。 ギターを抱えるお父さんの姿。 Uちゃん、ギター始めたのはお父さんの影響だったんだね。 落ち着いたら、お父さんの思い出話、沢山聞かせてね。 そして出会いもありました。 巣の流し台で、チャバネゴキブリさんを発見! 新築で住み始めて、初めて見るトービーラーさんだ。 てことは、あと99匹はお友達がいるのかな。 さとこと100匹のお友達。 我が家も賑やかになりました。 |
なんとか荷造りを済ませた。
この機会に使えるものは、とにかく何でも詰め込んだ。 ラスカリングセットとサニタリー用品でトランク半分は埋まるしね(笑) どうせ、お土産は送るから、不要なものはその時詰め込めばいいもん。 昨日、王将で自分の足元を見たら、大輪の花がついたピンクの突っ掛けを履いていてびっくり。 どたばたで、母のを履いて来ちゃった。 母にメール。 「母のツッカケを履いて来てしまいました。 明日間に合えば返すけど、間に合わないときは一週間ガマンしてください ![]() ![]() 少し仮眠して朝を迎える。 ぱにーニィ、自分の旅行保険の手続きが、チェック項目が一個漏れていたために滞り、やけ酒。 「こんな些細な記入漏れだけで対応が遅れるような商品、人に勧められない。 明日がもう開始日当日だよ。あり得んわ。 ワンは保険屋には向いてないよ。つくづく思う。」 そういう誠意があるから、ぱにーニィに担当してもらいたいお客さんはいっぱいいるんだけどね。 朝、ぱにーニィが予定の時間に現れない。 迎えに行こうと焦るが、巣の前の私道でなにやら事件があったのか、ガラスの破片が道いっぱいに散乱し、住民が集まっている。 パトカーが二台来ていた。 通れないなあ。 少し落ち着くのを待って、他の車が出発したのを追うように巣を後にした。 街灯も壊れたのか、工事の人が状況写真を撮っている。 何があったんだろう。 物音には気づかなかったけど。 ぱにーニィのアパートは静まり返っていた。 寝室を覗く。 爆睡中。 ぽんぽんと肩を叩いてみた。 うっすらと開いた目が充血して真っ赤。 「ぼちぼち時間ですよ。」 「あっ。ごめんなさい。朝?モーズン3錠は効くなあ」 バタバタと着替える。荷物は前夜に玄関に準備済み。 電源と鍵を一緒に確認する。 外出の度、何度も火の始末や電源を確認に戻らないと不安で仕方ないぱにーニィ。 飛行機にまで乗るんだから、不安の種は少しでも減らしておかないとね。 ラスカル号で空港に向かった。 なんか、このくるまに乗ると、とおるちゃんがすごく喜んでる気がする。 そして、さとこ、さとこ号よりも強気で運転できる気がする。 不思議です。 空港でぴよ子さんと合流。 荷物を預け、恐怖感マックスのぱにーニィ、直ぐにモーズン2錠とビールを飲む。 ぴよ子さん「このヤク中の二人は~」とニヤリ。 ぱにー二ィは、当身をくらわせなくても無事に自分の足で搭乗した(笑) 客室乗務員の機内安全の説明をガン見し、指差し確認。 「あの救命胴衣、お守りに借りる?(笑)」 ついに離陸です。 ぱにーニィは乗ることが決まってから浮いてしまうまでがピーク。 気流が不安定でかなり揺れたけど、パニックは免れた。 暴れておろされることもなく、無事に那覇へ到着。 ケータイの電源入れたら、母からメールが届いていた。 「朝玄関が開いてて突っ掛けがあり肝が抜けて捜し回っても見えず ![]() 。」 このオトボケ加減が、機嫌が良い時の母のいつものメールでございます。 宮古島に着いたよと知らせた時も、 「よごあんしたー」 とりあえず、穏やかな気持ちで旅行できそうです。
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翌日。
さとこ号、窓のウロコ汚れがすごくて、雨の日の夜は対向車のライトで見えにくい。 このまま母に渡すのは危険なので、午前中、時間をかけてこすってみた。 少しマシになった感じ。 ところが、ブレーキランプが切れていた。 ありゃ?この間かたっぽ切れて交換してもらったの、両方じゃなかったのか。 とおるちゃんに、「ライトはかたっぽ切れたらもう片方も寿命だから、ついでに一緒に交換しなさいね」と言われていたから、お店に確認してお願いするべきだったなー。 さとこに代わってぱにーニィがスズキに持って行ってくれたけど、水曜日だからお休み。 ぱにーニィ、半蔵さんに連絡をとって、交換してもらってくれた。 半蔵自動車は里への通り道。 せっかくだから、さとこもラスカル号で半蔵自動車に行き、そのまま二台で里に向かう。 母は連絡が取れないままだが、仕方がない。 旅行中の安全祈願をしていたら、丁度母が戻ってきた。 さとこ号の鍵を渡す。 「これからちゃんたんをお医者さんに連れて行くわ。今朝外にいたから、夕べから家に入ってないみたいだに。もう歩けんみたい。」 ちゃんたん、さっきも外にいたもんなあ。 ![]() ぱにーニィ「一緒に行きましょうか?」 母の目が輝いた。 「あら、あんたたち着いてきてくれる?お母さん、一人だと心細くて」 ちょうどいいや。 さとこ号の運転練習になる。 ぱにーニィに助手席で指示してもらい、母の運転で動物病院に向かった。 ちゃんたん、かごの中で立ちあがろうと、もじもじ。 うんこだった。 ちゃんと便意もあるからすごいよね。 診察室に呼ばれる。 心電図と血液検査。 診察結果は右心肥大、心不全。 ゴハンは食べるけど、栄養を吸収できず、ガリガリ。 腹水が溜まっているのでおでぶに見えるだけだった。 腫瘍があるかどうかはわからないけど、あったとしても、17歳で手術はかわいそう。 腹水は栄養の塊だから、余分な水分を出して栄養は吸収できるように、利尿剤注射。 とうぶん毎日通院です。 母、さとこが沖縄から帰るまでにちゃんたんは死んじゃうだろうと言ってたけど、まだ大丈夫そうだね。 通院が大変だけど。 母は安心してすっかり元気になり、「ありがとうねー。あんた達が着いて来てくれて、ほんと、良かったわ。冷麺食べて帰らん?」 出た!阿油味だ(笑) ぱにーニィ「お母さん、ちゃんたんを先に休ませてあげないと」 さとこ「ごめん、母。まだ荷物準備できてないに」 「あら、そんなら仕方ないね」 ちょっぴり可哀想だけど、もう20時。このまま何時に帰れるかわかったもんじゃない。 母と別れ、帰り道。 「ぱにーニィ、ありがとう。ごめんなさいね、出発前日なのにバタバタさせてしまった」 「いや、考える時間がないのが、かえっていいのかも」 「じゃ、なんか食べて帰ります?さとこ、おごります!」 「ヤッター ![]() 帰ってからも、たいした理由もなく疲れて、準備する気が全く起きないさとこ。 もう、普段の外出みたいに行こうかな~って感じでーす。
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9月2日。
出発しかけてたら、ぱにーニィが自転車でやって来た。 ありがとう、運転は大丈夫です。ほんなら11時半にユタシク! お花を買って里へ向かう。 10時。 教会の霊殿には、きな粉団子、ぜんざい、むかご炊き込みご飯がお供えしてある。 母、頑張りました。 親戚の訪問があったりで、予想通りお墓参りまでに11時半になったから、ぱにーニィが到着。 お墓参りは後回しです。 長持唄から歌っていたら、母が「あら、勝手に始めないで」とカセットテープに録音の準備を始めた。 さとこ、既にバッテリー残留少のランプが点滅。 しょえー。 もう一回は厳しいッス。 「結構ですよ。それでは始めてください」 ヒヤミカチを正座で目を閉じて聴かれるのは凄い圧迫感(笑) さとこ、緊張で声が沖に行っております。 休む間なく何曲か奉納させていただく。 もう限界だよーん。 「それではこのへんで。ありがとうございました」 「はい、ご苦労様。あなた方、沖縄には習いに行くの?」 「人と約束をしても会える自信がないから、ただ行くだけだよ」 母、娘はウツなんすけど。 「あら、そう。夏川りみさんみたいに、きれいになだらかに歌えるように指導を受けたら上達するのに。 お母さんは、この間、音楽院の試験で優秀賞をもらいました。この歳で。 東京でも優秀賞でしたよ。」 わお!そりゃ確かにすごいね。 でも、さとこは上達以前に、まず『精神安定』の壁をクリアしませんと。 ぱにーニィも、持ち曲の歌詞の意味と自分の想いを説明した上で、声を張らずに線を細く唄いたいけど、すごく難しいんで試行錯誤です、と話す。 母、「線を細く歌うのは難しいのよ。大きな声のほうが簡単なの」 いや、だから、そう言ってますでしょ ![]() 母の審査結果とアドバイスが果てしなく続く。 さとこ 「ぱにーニィさん、ぴよこさんに旅行保険のサインもらいに行くなら、13時から休憩だから、そろそろ行かないと。」 察したぱにーニィ、「では、わたしはこれで。」 母 「あら、お昼ご飯は?お茶も飲まず?」 さとこ 「お墓参りまだだし、診察間に合わないから」 母 「お墓には一緒に来ならんの」 …母よ。 ぱにーニィのお父さんが危篤の時に、あんだけぱにーニィを振り回しておいて、それはないだろう。 さとこ 「いや、わたしがもうダウンだから」 母とお墓参りを済ませ、診察時間ジャスト。 緩急なく先の見通しが立たない時間が、一番消耗しますです。 そして、再起不能に打ちのめされている。 老人施設の敬老会、引き受けない方が良かったな。 みなさんに喜んでいただける自信が、全く無い。 静かにどん底に沈みながら美らかーぎードクターに、経過報告。 さとこがうまく話せないから、ぱにーニィが代わって説明してくれ、さとこ、それに補足する。 お仕事のこと、はてるまとの関わり、お盆行事、はてるまの家の地域性、里の母とのつながり方など。 「待って、待って。さとこさんはこれからどうするの」 ぱにーニィ 「はてるまのお墓に入れるよう、戒名をもらうそうです」 さとこ 「それですー」 ドクター 「えーッ。そうなんだー。そっかー。うーん…。」 だって。 さとこがどうするのが一番自然な形なの? どう生きたらみんなが幸せで、さとこも順応できるの? ぱにーニィから、「とりあえず旅行中は指示に従うように」と釘を刺された。 「何か事故があった時に、これ幸いと死のうとせず、必ず逃げて下さい。でないと、ワンが逃げられないんだからね」 「は~い」 ちっ。せっかく1億入るのに、掛け捨てか。 ![]() |
8月31日。
明け方、不安感で目が覚める。 地震かな? 暫く構えるが揺れない。 気のせいだったらしい。 ごそごそと家事を始めたものの、肝わさわさ~が消えなくて、抗不安剤を飲んで寝直す。 現実味がかった夢ばかり見るから、余計疲れるわっ。 しんなりのびたまま、里の母にメールをする。 「父の命日、どっか出られますか? わたしは心療内科診察ですが、教会でぱにーニィさんとの演奏を聞いてもらえたらと思って。 それと、旅行中、さとこ号、そこに停めておいたら使う?」 翌日、返事が来た。 開いて震撼。 「子どもとして喜んで貰える事はしてあげて下さい。車は青空で良ければ」 うーん。 不機嫌が文章全面から滲み出ておるであります! こういう、よそよそしい標準語の時の母には近づかない方が、さとこの傷が増えずにすむ。 「喜んで貰えないと母が思ってるなら、やめます。 さとこ号は、また母号が壊れた時の代車にのつもりでしたが、邪魔になるならやめます。」 気持ちを奮い立たせ、お供えするお酒を買いに出発できたのは15時半。 あいやー。 子供達がお帰りの時間だ。 黄色い帽子の小学生達が、横断歩道を跳ね飛びながら走って渡り、防犯見守りのおじいさんの自転車に群がっている。 怖くて右折出来ず、結局お店に入り損ねた。 左折を重ねて大回りするうち、どんどん違う方向に進み、途方に暮れる。 ちょうどぱにーニィから電話があり、用事が終わって運転できるから、一旦戻ってくるように、とのこと。 安堵。 遠いけど交通量が少ない郊外の酒屋さんに連れていってもらった。 そこに母からの返事。 「邪魔になるなんて何処に書いてます?青空で海風強くて傷む率がたかいから心配してるのです」 およっ。 少し刺々しさが和らいだか? 返信。 さとこ号は巣の潮風ですでにサビサビですが、母が心配ならこっちに止めて行きます。 演奏の方は、やっぱし、させてください。 この間、ぱにーニィさんがおうちの仏間で弾いてたら、お母さんが「お父さんに聴かしとるだな」と言われたそうなんで。 14時半から美らかーぎードクター診察だから、そのあとに。 母より 「あなたが良ければいいのですうちは車があったほうがいいのだから 診察なんじ? 後先させるのはよろこばないと思うから」 てなわけで、ぱにーニィには明日の11時半に現地集合ってことにした。 最初から二人で行くと、母、きっと話し込んで時間がずれ込むから、さとこ、沖縄までにバッテリー切れになっちゃうもんね。
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身長が二階建てくらいのUちゃんがケイローンのように下半身馬の姿で町で暴れているらしい。
元々長身のUちゃんだけど、さとこと同い年で今更なんでそんなにおっきくなったのか。 言葉が理解できないらしく、機動隊と見物人に取り囲まれていた。 子供たちが石や棒を投げる。 Uちゃんは顔を覆い隠そうと動く度に、電線や看板の電灯に触れるから、絡まったりガラスの破片を被り、罵声を受けてさらに暴れる。 このままじゃ殺される。 なんとかしないと。 てくてく近づいて伸び上がってお腹を撫でたら、さとこだと気がついた。 Uちゃんの目が悲しみで潤んだ。 もう大丈夫だから。 なにが起こったの? 一緒に帰ろう。 どこなら安心して休めるかな。 服はどうしよう。 お仕事、荷物運びとかなら一緒にできるかな、と思案してたら目が覚めた。 この間のライブのときのUちゃん達の写真と、ぱにーニィが観てた競馬の画像が合体したのかな? 眠剤を飲んで再度うとうと。 夜勤明け。 厨房で大量の白い大皿を洗ったり、残飯を仕分けし、ザルに移して水分を切る。 (昨日、新しくできたバイキングのお店に行ってみたから?) 全て片付け終わり、ハウスクリーニング終了。 今日は明るいうちに終わったなあ。 配電盤の主電源を切り、鍵を閉めた。 マンションタイプなので、集合玄関に向かうが、ガラスのドアの向こうに男の人が膝を抱えてうずくまっていて開けられない。 コンコン、と肩の辺りをノック。 「出てもいいですかー」 男性は振り返らず、さらに身体を硬くした。 んー。 どうしたものか。 と、玄関前にシルバーのクラウンとパトカー二台が突っ込むように向かってきて、急停車。 おまわりさん達がばたばたと降りてきた。 全身に力を入れて拒絶する男性、引きずられていく。 さとこもその場で事情聴取を受けた。 困る。 飛行機の搭乗時間までに荷物を取りに帰るつもりが、間に合わない。 第一、何の事件かもわからないのに聞かれても…。 場面は変わり、区切りの地区までポスティングができたときには真っ暗。 雨が降っているから、日暮が早い。 表札が見えないから、範囲外まで出てしまい、この先は崖と畑だけ。 こんなとこ地図にない。 後戻りしているつもりだけど迷ったらしい。見覚えがない。 ぱにーニィと合流する場所に行くのが遅れたから心配しているはず。 ぱにーニィの車が通り過ぎた。正面を見ていてさとこに気づかない。 目が悪いからなあ。 待ち合わせ地点から向きを変え、初めに降ろしてもらった駐車場を探してとりあえず走る。 ハウスクリーニングの近衛リーダーに呼び止められた。 「僕もそこに駐車したけど、なんかここ、怪しい雰囲気ですよ。 今朝から生き物も人間も誰一人見かけないし。」 竹やぶの小道を並んで歩きながら気づくと、リーダー、足音がしないし足元が濡れてもいない。 「リーダー、やっぱし、常人と違いますね~」と感心したら目が覚めた。 息苦しいので、暫く扇風機の前にうずくまる。 洗濯物を取り込めば気が晴れるかな。 顔を上げたとたんに吐き気。 しかたなく、のそのそと巣箱に戻った。 ケータイの調子が悪い。 とおるちゃんの電話番号はゼロに登録しているんだけど、押し間違えたら、初期設定に戻って、画面も消えてしまった。 修理に出せば元に戻るのかな。 どうしよう。 番号もアドレスも変わったら、行方不明のままのとおるちゃんが、万が一連絡を取ろうと思ってくれても、さとこに繋がらない。 慌ててCメールを送ろうと焦るが、ケータイ、いつの間にか針金でぐるぐる巻きにされていて、雷に共鳴して青白く光ってる。雷が落ちたら、壊れてデータも全て消えちゃう。 とおるちゃんどこ? お願いだから早くお電話下さい。 じっとしていられなくて、市内を車で探し回る。 不安で泣きじゃくって目が覚めたら、夜が明けていた。 直ぐにゼロ発信してみる。 とおるちゃんの電話が鳴り、ほっとした。 電話口に声が聞こえることは二度とないのだけれど。 ドキドキがなかなか治まらないから、抵うつ剤と一緒に抗不安剤を飲む。 抗うつ剤は食べ物を胃に入れてからでないと胃痛がするから、牛乳や豆乳が欠かせない。 とおるちゃんのホットミルクがあれば、お薬なんか要らないのにね。 |
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